※リーマン家三
※同棲五年目の痴話喧嘩話
※性的描写を含むため、18歳未満の方はご遠慮ください











駅から徒歩十五分とやや離れてはいるが、新築物件で日当たり良好な3LDK、風呂トイレ別。集合住宅にありがちな隣近所との付き合いも強制されず、プライベートはしっかりと保護。さらに防音完備と聞けばこれ以上の物件は見つからず。
機嫌を伺うように隣をみやれば、既に契約書に目を通し始めていた。
それが四年ほど前のこと。

三河商事が豊臣モータースの傘下に入ることが決まり、勤務先が本社となって家康と三成は同居を始めた。
同居といっても、長い紆余曲折と衝突を繰り返した末の共同生活だ。いわゆる同棲だったりする。
ただしそれを大っぴらに言うこともなく、時にはそれが原因で命の危機にさらされたりもしたが、家康はこの生活に大層満足していた。
家に帰れば三成がいる、あるいは三成の帰宅を待つことができる。
ただそれだけの事実が、どんなに幸福であることか。
己の身を顧みない三成のすぐ隣で三成の身を案じ、時には諌める。今まで吉継が行っていた些細なことを、誰に邪魔されることもなく自らが率先して行える優越感。吉継が聞けば眉根寄せるだろうが、そのくらいは許して欲しい。

吉継としては未だに家康と三成が同棲していることに思うところがあるらしく、ことあるごとに家康に対して嫌味をきかせることを忘れない。しかもかなり辛辣だ。
吉継がいなくなったリビングで、ぐったりと二人掛けのソファーに身を沈めた。打たれ強さに定評のある家康だったが、吉継の言葉には大分精神を抉られる。
漂うほのかな香りに、堅く瞑っていた目をうっすらと開ければ、揃いのマグカップを手にする三成が目に留まる。吉継が来るたびに胃が痛いと嘆く家康を気遣ってか、コーヒーメーカーの使い方がわからないだけか、たっぷりと水面を揺らすホットミルクは三成が用意してくれたというだけではちみつを垂らしたように甘く感じるに違いない。
家康の隣に腰掛けると、二人分の重みを受けてソファーが沈む。ローテーブルにカップを置いて細い指を体の前で組むともの言いたげな視線が家康を見るが、何も言わずまた視線を組んだ指に向けてしまう。
家康の憔悴が三成を案じすぎた吉継の言によるものだと知っているので自責の念があるのだが、それを解消する術がわからない。だからこうして物言えず、ホットミルクを用意して隣に寄り添う。
たとえ誰に反対されたとしても、家康の隣から離れるつもりはない、と言外に伝えるために。
その行動だけで、家康の精神は大分回復するのだから、自分も大概単純な生き物だと苦笑を浮かべるほかなく。すぐそばの細い体を、腕の中に閉じ込めた。
あとは推して知るべし。

そんな桂三枝も顔を顰めるような新婚さながらの甘ったるい生活を送っているが、ときに意見の衝突は派生する。
些細なことを大事にするのが三成だが、それを簡単に流してしまえるのが家康だったので、諍いと言ってもそう大きな喧嘩になることなど滅多になかった。喧嘩をしたところですぐにベッドに雪崩込み、なんだかんだいってすぐに和解してしまう。

だからこそ、長引く諍いは互いに引きどころがわからない。
喧嘩をはじめてから早一週間が経とうとしていた。

 

 

(中略)

 

 

 

本当は二人で同じ布団にくるまって眠るだけのつもりだった。だが、いざその熱に触れてしまえばそれで済むはずもなかった。
スーツを脱ぎ去る暇さえ惜しくて乱雑に床へと放り投げる。明日の朝には皺になってしまっているだろうが、今の家康にも三成にもそんなことを考える余裕はまったくなかった。ワイシャツのボタンはいくつかはじけて、音を立てて床を転がった。
息もつけないくらい激しく接吻を交わす。舌が歯を割って喉の奥まで入り込んでくるのに小さく声が落ちた。どちらのとも言えない唾液が顎を伝う頃には、互いに息が乱れて頬が上気していた。
組み敷いた細い体を、離れていた間の寂しさを埋めるように掻き抱く。背中に爪をたてられてぴりりとした痛みが走るがそれさえ甘い刺激となって家康の下半身を襲う。
「いえやす」
「三成、みつなり」
接吻の合間に家康を呼ぶ声が切なくて、寄せた唇を離せない。
口付けだけで緩く起ち上がった三成のそれをスラックスの上からなぞると、ぎこちない手付きでベルトをはずそうと白い指先がバックルへと伸びた。その指先を捕まえて唇を寄せると、一本一本を根元から舐めあげた。
「、なッ?!」
驚き手を引こうとするのを力で引きとめ、口に含んで小さく歯を立てると、目元を真っ赤に染め上げた三成が家康を睨みつけた。

頬を染めたまま、憮然として上体を起こした三成は家康のベルトへと手を伸ばした。バックルを外し、下着ごとスラックスを降ろせば、既に硬くなっている家康の刀身が姿を現した。
小さく喉を鳴らすと、闇にちらつく赤い舌で、先ほど家康がやったように根元から舐めあげた。数回往復させると、温かく湿った口腔へと誘われる。
口の中に広がる独特の苦みすら愛おしい。すべてを迎え入れることはできず、根元は家康が舐めた指先で愛おしげに触れる。
時折降ってくる吐息は家康が感じていることを告げていて、その声に下腹部が刺激されてたまらない。膝を寄せ合わせれば布ずれが刺激となって三成を襲う。小さく震えると、その振動が伝わったのか家康の吐息も震えて落ちた。
顔を前後させれば収まりきらないほどの大きさがさらに膨れ上がって、喉の奥を圧迫され嘔吐きそうになる。その喉の動きが刺激になったのか、頭上で家康の呻き声が聞こえたかと思えば、喉の奥に飛沫を感じて家康が達した。
それでも刀身は硬度を衰えさせず、ずるりと三成の口腔から這い出てもその形は変わらなかった。
荒い息が室内に響き、家康の上気した頬が暗い中でもはっきりと見えた。
スラックスの中で、三成自身は窮屈に抑えつけられている。今すぐにでも開放してしまいたい。
すると、逞しい腕が伸びてきて三成を抱きしめた。
「もう、知らんぞ」
耳元で囁かれた欲望を隠しもしない雄の声に、歓喜で身体が震えた。














大分デレ成。
サンプル以外では官兵衛と吉継が出張ったり、三成がデレたりしてます。

110213発行